「波形と感覚」

 そういえば、低周波治療器の波形ってどうなっているのかと思い、測定してみた。

 以下に述べる内容は、私の個人的な興味に基づくものであり、あくまでも自己責任で実施しま
した。低周波治療器は、その取扱説明書に書かれている正規の使用方法に従って使用すべきもの
であることをここに明記しておきます。
 これを読まれた方が、低周波治療器により何らかの事故や傷害を負ったとしても私は責任を
負いません。

 測定対象はオムロンの低周波治療器、エレパルスHV−F123である。
 速さ設定は中くらい、強さは7とした。
 負荷として100KΩの抵抗を出力端子に並列接続し、岩通のデジタルオシロ、DS−8812で
波形を取得した。そして実際に自分の手に電極を貼り付けて、波形とその感覚を味わってみた。

 負荷として100KΩを接続した理由は、この低周波治療器には保護機能があり、電極がはずれて
無負荷になると出力が遮断されるようになっているから。
 なお参考までに、取扱説明書の記述では、電池寿命は負荷1KΩで規定されている。

 表中の「感覚」とは、自分の左手の手のひらと甲にそれぞれ電極を貼り付けたときの、
あくまでも自分の感覚です。

 出力信号は、次に示すような一定のパターンが、あるサイクルで繰り返されている。

No. ボタン 感覚 負荷(100KΩのみ) 負荷(100KΩと手) マニュアルの
記述
ピクピク
ピクピク

 プラスおよびマイナス波形の幅が0〜100μSの
範囲でグーンと広がっていく。
 この波形は最大幅になったとき。

 左の波形で幅が広がっていくのは、上記の波形
でツノが立ち上がっていくのに相当する。つまり負
荷にかかる電圧が上がる。
やさしくたたき、
軽くもむ
足裏 トントン
トントン

 肩の波形に似ているが、波形の幅が連続的では
なく段階的に広がっていく。

やさしく
たたく
じーん
じーん

 プラス波形のみ。幅は0〜100μSの範囲で広が
っていく。

 じーん、って感電そのものだ。
 指がひん曲がる。イテテ・・・。
じっくり押し
やさしくたたく
関節 ぐん
ぐーん

 腰の波形に似ているが、幅の広がりかたが速い。

 腰と同様、指がひん曲がる。イテテテテテテ・・・。
軽くさすり
やさしくもむ
手足 トクトク
ピクピク

 一定幅である。

速くたたく
ゆっくりたたく
おす じーん
ぐーん

 プラス波形だけ。幅が広がっていく。

軽く押す
じっくり押す
たたく トントン
トントン

 一定幅を維持している。

速くたたく
ゆっくりたたく
もむ じーっ
じーっ

 幅の広がりが速い。

速くもむ
ゆっくりもむ
ソフト ぐーっ
ぐーっ
(弱い)

 幅の広がりがゆっくり。

 ところで、こういう機器の開発って、やはり実際に人体に接続してデバッグするのかね?(笑)
少なくとも最初の頃はそうだったかもしれない。基本的にはオシロでしょう。
 人体の負荷モデルというのがたぶんあって、それに接続して波形を確かめるのだと想像します。

 CPUはNECの4ビットマイコン、75シリーズだった(μPD753106)。現行品で、NECの
電子デバイスのページでデータシートなどを取得する事ができます。

 うーむ、マイコンかあ。
 ICEにつながった実機、そして電極がつながったソフト担当者、その光景が目に浮かぶ。
ウッカリ暴走させたら大変である。キョーレツにシビレて、のけぞっている姿。イテテテテテ・・・。

 どういう電圧で、どういう波形で、どういう変化をさせたら「もむ」、「たたく」の感覚が得られるか、
なんて、最初の頃は試行錯誤の連続だったかもしれない。プロジェクトXでやってくれないかナ。
温水洗浄便座の開発で、ケツを火傷した、みたいな苦労があるかもしれない。

 手がピクピク動くのを見ていたら、なんだか自分のものではないように見えておかしかった。
自分の意図とは異なる動きをする。これは面白い。ひとりでニヤニヤ楽しんでいた。しばし妄想の世界。

 誰でも思いつきそうな事だが、これをオチンチンにつけたらどうなるか。説明書には、陰部への使用は
禁止と書いてある。だがほとばしる好奇心が抑えられない。以前、おそるおそる試した事がある(笑)。
出力を一番小さいところから徐々に上げていった。だが、ある程度、出力を上げても別にどうという事は
なかった。
 何に期待したのか忘れたが、あまり期待してはいけなかったようだ。(なんだそら)

 いろいろな波形を見ながら、それぞれの感覚を味わってきた。そこで、波形によって感覚や、身体の動きが
異なる事がわかった。押す感覚、もむ感覚は波形の違いだ。波形を変えれば、速く動かしたり、遅く動かしたり、
さらに電極の位置を変えなくても中指と親指のどちらか一方だけを動かす事もできるようだ。
 そのあたりのノウハウを蓄積すれば、かなり思い通りに身体を制御する事ができるかもしれない。
 まさにサイボーグ。


 次に生じた疑問は、どうやって高い電圧を作り出しているかという事。
 ふつう、トランスに発振回路を組み合わせたのを想像するが(中学のときに電子びっくり箱のキットや
電池式蛍光灯を作ったが、これらにはトランスが必須だった)、確かにトランスを内蔵している機種もある。
しかし今回調べた機種には、トランスは無い。それっぽい部品としてはインダクタ1個のみだ。それと、
4.7μF/160Vの電解コンデンサが1個。

 その電解コンデンサC1の両端を測定してみたら、ここにDC100Vがたまっているのがわかった。

 ここの電圧は、強さツマミの設定に関係なく常に一定である。
 つまり、ここから取り出した電源をトランジスタでスイッチングして、任意の波形を作り出して
いるわけだ。パルス幅などのパターンはマイコンが制御している。

 次に、インダクタL1の両端を測定してみた。152と書いてある。
 左の波形は、右の波形の拡大。どうやらこのへんで高電圧を発生させて
いるようである。

 なるほど、75μSごとに1μSのパルスでスイッチングしているのか。

 回路は、場所をとるトランスを排除する工夫をしているんだろうな、きっと。
 パターンをたどって回路図を拾い出してみた(一部)。小さくて見づらいかもしれないが容量節約のため
ご勘弁を。

 なんとまあ、教科書通りの昇圧回路である。

 くそったれ、コストダウンのため片面基板に、0Ωジャンパーチップを多用して、パターンなんか
スキマを縫うようにギチギチにチューニングされている(笑)。おかげで、回路がたどりにくくて大変
だった。まあ時間さえかければ、全回路図を拾い出す事は容易に可能である。

 昇圧回路のスイッチングはマイコンによって行っており、そのマイコンのソフトでポートをたたいて
いるのか、またはマイコンに備わっている機能を利用してハードウェアが制御しているのかは不明
だが・・・データシートを見たら35ピンはP22/PCL/PTO2となっている。
 そのピンの機能は、I/Oポートのほか、PCL(プログラマブルクロック)、PTO2(プログラマブル
タイマアウトプット2)の切り替えができるから、おそらくPCLかPTO2を使っていると思う。

 Tr1が昇圧のためのスイッチングを行っている。マイコンの35ピンからのパルスで駆動される。
R5はベース抵抗であり、それに並列接続されているC7は、トランジスタの立ち上がりを速くするため
のスピードアップコンデンサである。
 D3はトランジスタのベースの逆バイアスに対して保護する働きじゃないかと思う。さっきのスピード
アップコンデンサのアンダーシュートを吸収すると思う。

 乾電池2本直列の電源電圧3VがインダクタL1を通り、Tr1がオンするとL1に電源電圧がかかり、
Tr1がオフするとL1に逆起電力が発生、L1の電源側とは反対側の端子がプラスになるから、D4を通り
電解コンデンサC8を充電する。つまり、 (電源電圧)+(逆起電力)−(D4の順方向電圧降下)が、
C8にかかる。
 こうして常にC8には100Vが蓄えられる。

 さて出力をするには、Tr3をオンしてやらなければならない。それと同時に、Tr2またはTr4をオンす
る。Tr2とTr4は、波形をプラス方向に振るかマイナス方向に振るか、その駆動をするためのもの。

 チップ型のトランジスタは、型名が略してあるので、簡単にはもとの型名がわからない。だけど、
このマーキング、東芝っぽい、というのが経験によりわかる。あとは東芝の「東芝半導体製品総覧表」と
いう本のトランジスタのところで略称を探してみた。
 たとえば、SC−62パッケージでCYという略称のトランジスタは、2SC2881だった。同様にDYという
略称のトランジスタは2SA1201で、これはさっきの2SC2881とコンプリメンタリとなる。
 CYとかDYの後ろのYは、トランジスタのランクを示す記号である。

 W3と書いてある5本足のやつは、おそらくデジトラが2個入ったやつだろう。

 その部品がトランジスタなのかダイオードなのか、基板に書いてあるシルクのD5とか、TR1などが
手がかりになる。
 トランジスタは何個か使われていたが、肩の波形のようにプラスマイナスに振っているのがあるから
おそらく出力回路はプッシュプル?などと推測する。

 SC−62パッケージで足が4本のやつ、こいつの略称からメーカーと品番がわからなかった。だけど、
基板のシルクがD5と書いてあるので、ダイオードである事は間違いなく、あとは中の構成がどうなって
いるかがわかればいい。ダイオード2個入りかもしれないが、その接続がアノードコモンなのかカソードコモン
なのかがわからない。
 資料がないとわからないかと言えばそうではなくて、テスターで導通をあたってみる。いろんな組み合わせ
を試して、このピンからあのピンへ順方向で、あのピンからこっちのピンは逆方向だからたぶんこういう
接続じゃないかと、推測する方法もある。

 回路図を見るとわかるが、身体に電極パッドを当てて電源ONした状態では、決して電池のフタをあけて
いじってはいけない。電池の電極に触れるとビビーッとシビレます。「あれ弱いな、電池切れたか?」と
思っても、さわらない事です。経験者は語る、です。はい。(笑)

 ところで、低周波治療器に関して何か面白い情報はないかと、探してみました。
 http://nagasm.suac.net/ASL/
  電気刺激フィードバック装置の開発と音楽パフォーマンスへの応用 を参照下さい。
  体中に電極をつけて、ケイレンするパフォーマンスをしたりしています。スゴイです。
 http://www2.hamajima.co.jp/~tenjin/labo/lowfreq.htm
  低周波治療器の感電特性
  解析はここが詳しい。参考になります。

 で、インダクタとダイオードとトランジスタと電解コンデンサで高電圧を得る方法は、じつに簡単なことで、
ふつうリレーをトランジスタで駆動するとき、リレーコイルに並列にダイオードを接続する。このダイオード
の働きを思い出してみるとよい。
 コイルに電流を流し、切った瞬間に、インダクティブキックといって高電圧が発生する。これにより
トランジスタが破損するのを防ぐために、ダイオードを入れているわけだ。

 そのダイオード無しに、リレーコイルにオシロをつないで、電池をつないだり切ったりすると、その
瞬間に、するどい波形が出て、瞬間的に100V以上出ているのがわかる。この瞬間的な高電圧を、
コンデンサにたくわえてやる。このON/OFF操作を高速で繰り返せば・・・。

 これはオムロンのリレー・G5V−1(コイルDC24Vタイプ)に、DC5Vの電源をつないで、切断した
瞬間に発生した逆起電圧の波形。瞬間的にマイナス122Vが発生している。

 ちなみに右側のも左側と同じ波形だが、どういうわけかFUNCTIONツマミを回して、カーソル線を動か
していると下のNormの左右にナゾの化け文字らしきものが見える事がある。これってバグですか、
岩通さん?

 とにかく、コイルに電流を流したり切ったりして、その瞬間に発生する高電圧をコンデンサに充電してやれば
容易に高電圧を得る事ができる。つまり昇圧型スイッチング電源(ステップアップDC−DCコンバータともいう)
である。

 そういえばガキの頃、ゴミ捨て場で掃除機を分解して、リレーを戦利品として持ち帰った。このリレーは
コイル電圧が100Vで、当時すでに度重なる経験により、100Vの危険性は承知していたので(笑)、
さすがにコンセントにつなぐ事はしなかった。

 かといって、乾電池では励磁しない。しょうがなく鉄片をおさえたり、いろいろいじくり回しているうちに、面白い
接続を発見した。
 電池+ → リレーコイル → リレーコモン接点 → リレーNO接点 → 電池−
 (NO接点はNC接点だったかもしれない?)
 まてよ、確かトランスもつないでいたような・・・一次側100V、二次側6.3Vのヒータトランスだったか?

 とにかくこのような接続にしておいて、リレーのカバーをとって、鉄片を指でおさえると、その微妙な加減で、
接点部分で放電が起きたのである。ジジジッ、ジジジジジジジッ・・・と、青白い火花が飛ぶ。これが面白かった。
だが、これをやるとテレビにノイズが走る。マルコーニ式送信機とも言えるが。
 端子などに指で触れてしまったとき、ビリビリッときた。ああ、高電圧が発生しているんだなと。

 DC−DCコンバータを作るとき、インダクタの代わりとして、実験的にだが、リレーコイルを試してみても良い
かもしれない?あくまでもコイルはコイルなのだから、効率などは別の話として。

 100Vも出ているのなら、ひょっとしてニキシー管が点灯するか?と思い、試してみた。もしうまくいけば、
ニキシー管の点灯にトランスが不要だ。
 さっそく、低周波治療器の端子にニキシー管を接続して、出力を最大にしてみた。
 結果は、点灯が確認できなかった。ネオン管では試していないが同じ結果と思う。波形を見れば、
100μSぐらいしかONになってないから、点灯していてもその時間が短すぎて見えないのかもしれない。
でも工夫すれば点灯することは可能と思う。いずれ取り組んでみたい。

 昇圧スイッチング電源を作るのに、発振回路じゃなくて、PICなどのマイコンでスイッチングのパルスを
作ってやっても良い。75μSごとに1μSのパルスを出す、なんてのはじゅうぶん可能だろう。メインの処理の
片手間に、そういうパルスをピンに出してやれば、回路規模が縮小できる。


おまけ「電撃ラケット」

 先日、仕事で外出した帰り、ちょっと立ち寄ったディスカウント店で「電撃ラケット」を購入した。
値段は税抜¥980だった(数日後の同店のチラシでなぜか¥498)。

 買ってはみたものの、虫がいない。しょうがないので、同僚に貸し出して、試してもらったら、
ビビってしまうほど火花と音がスゴかった、らしい。冗談じゃない、みたいな。

 しかし私は、これを書いている現在も、その火花と音を体験していない。夜に、電源を入れたまま
道を歩けば虫がひっかかってくれるかと思って試したが、一匹もひっかからなかった。外灯にも
虫がいなかったからしょうがない。まだ季節的に早いのだろう。

 電源は、単1乾電池が2本直列だから3Vか。

 とりあえず、恒例行事としてバラしてみた。


 このデカいフィルムコンデンサは、0.22μFだったか。パソコンの電源の内部を見ると、入力のフィルタ
部分によく居座っていそうな奴だ。
 基板には、湿気を防ぎ絶縁を維持するためか、パラフィンのようなものが塗布されている。

 回路の原理は、要するに、むかしキットで作ったような「電子ビックリ箱」の延長である。トランジスタで
発振させトランスで昇圧する。その高電圧をコンデンサにたくわえるわけだ。説明書には、電源を切っても
5秒間は電気がたまっているので注意して下さいとあるが、すなわちこのコンデンサに電気がたまっている
わけだ。

 こんなことしちゃったりして・・・・・・。
 ぴ〜んち!!

 電源ボタンを押していると、このランプが光ります。ネオンではありません。ムギ球です。


 ふふっ、ムギ球ってのも懐かしいなあ。小学生の頃、自動車のプラモを作るときには必須だった
ものだが・・・。
 それで、とにかく実際に試してみたいものだが、いろいろ考えたら虫がかわいそうに思えてきた。
こんな恐ろしい機械を作る人間って、一体・・・。


(後日記)
 そういえば学生の頃に、ラケットじゃなかったけど同様の高電圧発生回路は作っていた。

 最初は同じクラスの悪友が、「写○ンです」を何個も集め、コンデンサをいくつか並列にしたもの
を持ってきた。バチッと放電させて喜んでいたが、そのうちにトランジスタが焼けてしまった。

 しょうがないので学校の帰りに、デンキのカホに寄ってトランジスタを探したが無かった。いろいろと
自宅の部品箱をあさっているうちに、以前作った電池式蛍光灯の回路に、某工場のゴミ捨て場から
拾ってきた大量のコンデンサで、倍電圧回路を何段も組み合わせたらどうかと考えるようになった。

 その結果、できあがったブツは非常にキケンなシロモノとなった。威力が半端ではない。充電する
とき、「ぎゅぅぅぅぅぅイイイイイイ〜ン・・・・・・」というやばそうな音がしていた。
 シャープペンシルの金属部分に放電させたら、跡が残ってしまった。
 翌日、学校に持っていき、悪友に見せたら大喜びで、あちこち火花を飛ばしまくって遊んだっけ。


 それと、製品のノイズ試験をしようと思って、まずは手元に簡単なノイズ発生器があればと思って
リレーでフリッカー回路を構成したことがある。シールドルームに持ち込んで、スペアナで見たら
広い帯域に渡ってほぼ均一なノイズが発生していた。
 次に、ガスコンロの点火に使われる「イグナイタ」を買ってみた。乾電池をつなぐと、パチパチパチと
放電する。しかし、喜んで放電していたら、うっかり触ってしまい、声が裏返ってしまったぞ。


●再び、高電圧の話。

 回路の中に同居したリレーは意外にクセモノで、その逆起電力が思わぬ誤動作を招く
事が有ります。

 小ボスが、あさってはゴルフだと、このクソ忙しいのに、平日は安いから行くのだと
資本主義的腐敗堕落」な問題発言をしておりました。行かなければタダじゃんと
私は思うのですが。

 そうして試作機の評価試験をしていたら、ある操作をするとPICが必ず暴走する
現象に遭遇しました。やった、ソフトのバグだ、シメシメと、これで小ボスはゴルフに
行けなくなったと大喜びしていました。

 ところが、波形やらあれこれ調べたらどうも回路の問題で、つまり私の担当分野で、
その原因が逆起電力なのでした。

 リレーが作動すると、ノイズが発生してPICが暴走するわけです。あまり細かい事は書け
ませんが、リレーコイルから抵抗とツェナーを介してPICに信号を引き込んでおり、そこでの
保護は問題なかったのですが、リレーコイルに並列にダイオードを接続していなかった(ケチ
った)ため、逆起電力がGNDに流れ込み誤作動を引き起こしていたものと考えます。

 リレーは5個あり、全部が同時に励磁する条件はありません。そしてPICにもっとも近い
位置にあったリレーが励磁した時のみ、暴走していました。
 励磁しているリレーの信号ではない他の入力ピンをオシロで見たら、そこにもノイズが
乗っていました。GNDが揺さぶられているようです。

 なぜだかヒューズが飛んだ時があり、考えてみればこれはラッチアップが原因だったと思
われます。PICのプログラムROMの内容が飛び、起動しなくなった事もありました。

 じつは最初、リレーコイルには並列にダイオードを接続していましたが、PICの入力には
抵抗とツェナーを入れたし、逆起電力に対してはこれで保護できるだろうと安易に考えて
基板を起こしてしまいました・・・・・・。コストダウンの要求も強かったから、省略する方向に
傾いてしまったわけです。

 本装置の12ボルトを外部のスイッチ接点を通して、本装置のリレーコイルを励磁する仕組み
で、サージに弱いトランジスタではなくスイッチ接点だからダイオードの保護は不要だと
思っていました。PICの入力には抵抗とツェナーを入れておけば大丈夫だと思いました。

 せめて、ダイオードのパターンは残しておけばよかった。パターンだけなら値段は変わり
ません。コストは、ダイオードを買って実装するかどうかの問題です。こうやってノイズ
でトラブって基板を作り直すほうがコスト高ですな!

 反省: リレーコイルには、必ず並列にダイオードを接続する。ケチるな!!
     (DCの場合です。ACなら、たとえばバリスタを接続します。)

 翌日記: さすがに多忙なので、小ボスはゴルフをキャンセルした模様。
 

 

 

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